近年、黒字リストラがクローズアップされています。
「セカンドキャリア支援制度」や「ライフプラン制度」といった、オブラートに包んだ軽そうな名称で、恐ろしい黒字リストラがいつあなたを襲ってきてもおかしくはありません。
黒字リストラの対象者はどんな面談がされるのか?乗り切るにはどうすればいいのか?
もし、あなたの身に同じことが起こった場合の参考になればと思います。
あわせて読みたい
黒字リストラの生き残りには「辞めない」強い意志が重要
昨年、友人の会社でも 「セカンドキャリア支援制度」 と銘打った黒字リストラが行われたそうです。
黒字リストラの対象者に自分が入ってしまった場合、大きな不安や戸惑いを感じることでしょう。
しかし、黒字リストラ・早期希望退職で生き残るためには、「辞めない」という自分の強い意志が重要です。
なぜなら黒字リストラ・早期希望退職の制度では、一般的に会社側は執拗に転職をすすめてくるものの、本人の同意なく会社を辞めさせることはできないことがほとんどだからです。
では、実際 どんな制度でどんな面談が行われるのか、解説していきます。
なぜ企業は黒字リストラを行うのか?
そもそも、業績はさほど悪くないのに、なぜ企業は黒字リストラを行うのでしょうか?
理由として下記のような思惑から黒字リストラに至ることが多いようです。
黒字リストラに至る理由
- 構造改革や新ビジネスのため若く優秀な人材に入れ替えたい。
- 70歳定年制など人件費が増加するも、収益が停滞気味である。
- 人事評価を年功序列型から成果報酬型に変えたい。
- AIやロボット技術に仕事を置き換えたい。
これらが示唆するのは、これまでの終身雇用を中心とした日本の雇用形態が、急速に崩れはじめたことに他なりません。
黒字リストラはどんな制度なのか?
黒字リストラでは「セカンドキャリア支援制度」や「ライフプラン制度」などと銘打って、下記のような募集要項で希望退職者を募っています。
「45歳~60歳の社員で今後のキャリアプランを見直したい人のために、割増しで退職金を払い、また会社費用で転職活動を支援する。制度利用においては、本人の退職意志と会社側がそれを承諾して成立するものである。」
また、表には出さないものの、辞めてほしい人の選定や扱いは次のようなことになるのです。
- 実績や会社への貢献度が低い人をリストアップする。
- 辞めてほしい人には多く退職金を払って辞めてもらう。
- 辞めてほしい人には熱心に転職活動を勧める。
逆に、会社に残したい社員については、仮に本人から退職の意志を示されても、会社はそれを承諾せずに有用な人材を確保するという方針なのです。
リストラ対象になる?「2・6・2の法則」とは?
「2・6・2の法則」は提唱者は不明ですが、組織内で上位2割が優秀、6割が平均、2割は働きがよくない人とされています。
一般的にまじめな印象が強い働きアリ。
でも実際には、2割程度の働きアリはフラフラと遊んでいると言います。
そこで、この怠け者のアリを集団から排除してみます。
怠け者不在で全員がせっせと働くものかと思いきや、しばらくすると、残ったアリのやはり2割程度がサボりはじめるのです。
逆に、ちゃんと働いている上位2割の働きアリだけをかき集め、1つの『スーパー集団』を作ってみます。
『スーパー集団』ですから勢いよく仕事をしそうなものですが、やはり時間とともに2-6-2が形成され、一部が怠け者に変身するのです。
人間だって長く会社に勤めている間は「この時期でこのメンドクサイ仕事は避けたい」や「今は出る杭にはなりたくない」気持ちになるときもあるでしょう。
ましてや、常時フルパワーで仕事を続けるのは困難。
企業からすると、長期的な人件費の抑止を考えると「働かないアリ」は整理したいところなのでしょう。
黒字リストラの面談内容
辞めてほしい人への面談内容は?
辞めてほしい人の候補に挙がった人の場合、面談に呼び出され、本人が辞めるといえば会社側の意向と一致するため、1~2回程度の面談で退職が決まります。
一方、辞めたくないと言えば4回・5回と面談が続き、揺さぶりをかけてきます。
会社側からの揺さぶり
執拗に転職を勧められる
会社に残るなら異動もあり得る
残るなら会社や売上に貢献する方法を示せ
こういった揺さぶりをかけ、辞めてほしい人にプレッシャーを与えてゆきます。
住宅ローンがあったり、子供が独立前といった状況の人であっても、会社は冷酷に転職を勧めてくることから、すっかり仕事へのモチベーションが下がったと友人は嘆いていました。
ただ、最終的には社員と会社側が合意しなければ希望退職に至らないことが一般的です。
会社からの説得に負けず「辞めません」で通せば、勝手に退職させられる可能性は低くなります。
強い意志で退職を拒み、そこに残りさえすれば、当面は給与・ボーナスは確保でき、家族も路頭に迷う事はなくなります。
会社に残ってほしい人の面談は?
会社に残ってほしい人の面談はどんな感じなのか?
本人が残るという意思を示せば、1回ないし2回程度で面談は終わるようです。
一方、会社は残ってほしいが本人は辞めるという場合は、会社としては躍起になって引き留めにかかります。
面談は4回・5回行われ、その社員を高評価している事・会社への不満点を聞き出し改善を提案したりします。
また、本人にゆかりのある上司や、そのまた上の上司も面談に同席させて情に訴える・・・など、あの手この手で引き留めを行うようです。
こちらの場合も、あくまで社員と会社側の合意があって希望退職は成立するものです。
なので、会社側が退職を認めなければ、残留するか、もしくは割増し退職金をあきらめ自己都合で退職するしかなさそうです。
将来、会社がどうなるかは誰にもわからない
サラリーマンにも色々なタイプの人がいます。
サラリーマン、色々なタイプ
・会社の発展に心血を注ぐタイプ
・与えられた範囲の仕事だけこなす人
・とにかく給料を得るのが大事で残業もいとわない人
良くも悪くも色々な人がいて会社運営は回っています。
2・6・2の法則にあった『良く働くアリ』を集め、精鋭集団を作るのが企業の理想なのかもしれません。
今回、友人から貴重な話を聞けて参考になったのと、積極的に転職を勧める会社側の対応も衝撃的で複雑な気持ちになりました。
すでに、世界から遅れをとったといわれる日本の企業。
◆何とかして会社に残った方が正解なのか?
◇リストラするような会社は見限って新天地を求めるのが正解なのか?
結局、将来の事は誰もわからないし、会社もすべてを保証をしてくれるわけでもない。
上記のようなことを頭に置きながら、本当に自分に必要なライフプランを考えることが重要なのかもしれません。
以上