早期退職ナレッジ

【リストラ】希望退職制度はどんな流れで進むのか?(実体験)

2021-04-10

リストラで会社から弾かれる
悩む人

リストラってどんな流れで進むの?どうなるのか怖い。。

自分の会社で希望退職(リストラ)の募集が始まったら、誰もが驚いたり不安になったりするはずです。

会社に残れるのか?早期希望退職を受け入れ会社を去るのか?サラリーマン人生で最大級に悩むことでしょう。

最終的な判断は別として、希望退職制度(リストラ)の実際の流れを知っておくと、次のような心理的負担が軽減できます。

リストラ制度を知っておくと軽減できる心理的負担

・会社を辞めろと言われたらどうしよう
・リストラってどんな風に進むのか不安
・断ったら会社に居ずらくなるかも・・・
・リストラするこの会社って大丈夫?
・周りの皆はどうするんだろう

上記のような不安な気持ちを少しでも軽くした上で、あなたの家庭状況や経済状況・思いや考えを冷静に整理し、希望退職(リストラ)の最終判断をすることが大切です。

今回は、僕が実際に体験した希望退職(リストラ)の一連の流れを解説します。

希望退職(リストラ)募集の一連の流れ

リストラ一覧の流れ

希望退職(リストラ)の募集においては、次のような流れで一連の作業が進んでゆきます。

希望退職(リストラ)一連の流れ

1.希望退職(リストラ)が発表される
2.退職金などの具体的な条件を提示
3.リストラ対象者への個別面談
4.何度も面談(引き止めと退職勧奨)
5.リストラに応じる・応じないの決断
6.会社が退職を認可する決定通知
7.早期退職者の公表・ざわつく社内
8.業務の引継ぎ作業
9.最終出勤日

会社に残ることができる人は上記の序盤の面談だけで終了です。

一方、退職勧奨を受け入れてしまった社員や自ら希望退職を選んだ社員は、最後の項目まで至ることになります。

では、項目ごとに解説します。

希望退職(リストラ)が発表される

時期:12月下旬

まず、希望退職募集(リストラ)をおこなうことが、最終出勤日のおよそ3~4ヶ月前に発表されます。

ある日、唐突に管掌役員から声をかけられ「ちょっと会議室にいいかな?」と、一人づつ会議室に招き入れられます。

役員からは「今回、当社では希望退職者を募ることになった。」と切り出されました。

少し動揺しながら話を聞いてゆくと下記のようなことを説明されます。

  • 希望退職の募集は、会社が危ないわけではなく構造改革の一環
  • 会社をより良くするための施策で、ネガティブなものではない
  • 対象は勤続10年以上で45歳以上の社員が対象となる
  • 応募は自由だが会社が認めた者だけが退職となる
  • 割増し退職金の支給がある
  • 社外に転進する人には再就職支援制度を準備している

上記のように大まかな目的や制度の概要について説明され、細かい条件は後日直属の上司から提示されるというものでした。

対象者への個別の説明後、掲示板へ希望退職(リストラ)募集が行われることが掲示され、社員全員が知ることとなります。

退職金などの具体的な条件を提示

リストラ告知

時期:1月上旬

後日、直属の上司から個別に会議室に呼び出され、より具体的な条件が示されます。

退職金など具体的な条件

・希望退職の応募日程
・退職金・退職加算金の予定額
・退職日分までの賞与支給額
・有給休暇の買取りがあること
・再就職支援会社リーフレット配布
・再就職支援会社の説明会案内

上記のような具体的な条件提示をうけた上で、


会社が残ってほしい社員が、残ることに同意すれば話は終わりです。


一方で、、


・会社が辞めてほしい社員が退職の意志を示せば、両者の意向が一致し終了。

・会社が残ってほしい社員が退職を申し出ると、執拗な引き止めが始まります。

・会社が辞めてほしい社員が残留を希望すると、執拗に社外転進(退職)を勧められます。

僕の場合、上司に「ノビーさんには今後も会社に残って一緒に活躍してほしいと」と言われたのです。

うれしい気持ちと同時に、セミリタイアへの憧れの感情が入りまじり複雑だったので、回答は次回の面談へ持ち越すことにしました。

一方、同年代の同僚に話を聞いてみると「あなたには今後会社で活躍できる場を提供できない可能性が高い。これを機に社外に転進して、あなたにあった仕事を見つけたらどうか?ぜひ再就職支援の制度を活用してほしい。」などど言われたそうです。

会社は辞めてほしい社員・残ってほしい社員を色分けしてリストアップしていることを悟り、長年勤務した社員への冷酷な扱いに嫌気を感じたものでした。

上記のように、提示された条件を各人は持ち帰って検討するよう言われ、初回面談は終了となります。

リストラ対象者への個別面談

時期:1月中旬

前回の具体的な退職金の条件提示から2週間ほど経ち、2回目の面談が始まります。

上司からは、ゆっくり考えてみたか?その結果はどうなったか?と検討結果を聞かれます。

僕はこの2回目の面談で早々に「希望退職に応じます」と告げました。

上司は驚いた様子も見せず、続けて僕が辞めた後の転進先を聞き出そうと話を振ってきます。

当然、同業他社に転職してもらうわけにはいかないということからの質問でした。

僕は異業種への転進を申告し、早々に希望退職の申請書も上司へ提出しました。

一方で同僚の話を聞くと「会社に残ります」と言ったところ、上司は「意向はわかったが、あなたの活躍の場は保証できないし、転勤をしてもうかもしれない。再度よく考えるうように」と、暗に社外転進を勧めてきます。

また、〇月〇日に開催される再就職支援会社のセミナーへ必ず参加するように言われ、仕方なく参加を承諾したそうです。

何度も面談(引き止めと退職勧奨)

リストラのストレス

時期:1月中旬~2月上旬

その後も週1程度、断続的に面談は続きます。

上司は残ってほしい社員に対しては、退職を思いとどまるよう説得を行います。

説得に際しては労働条件で不満があるなら改善するなど。ちなみに僕の場合は残念ながら給与アップなどの条件提示はありませんでした。

一方、辞めてもらいたい社員には、重ねて自社で活躍の場がないことや、社外転進がいいだろうと説得を続けます。

面談は会社の思惑に沿わない人の場合、5回~7回にわたっておこなわれ、面談を受ける社員はウンサリとしていました。

ノビー

社員それぞれの状況(住宅ローンや小さい子供を持つ親などの家庭環境)などは考慮されす、退職勧奨を進める会社の姿勢におもわず憤りを感じたことを思い出します。

もちろん、自分が退職を申し入れなければ、会社は無理やり辞めさせることはできないので、その点は覚えておきましょう。

リストラに応じる・応じないの決断

時期:2月上旬

面談が3~4回と進んでくると、対象者の多くが希望退職に応じる/応じない・・・の答えを出してくるようです。

(どうも、僕のように2回目の面談で「希望退職に応じる」という早い決断をした人はいなかった模様です。。)

ウチの会社の場合、会社が意図するプランで面談が進まなかったためか、途中から直属上司だけでなく管掌役員も面談に同席するようになり引き続き「引き止め」や「退職勧奨が」続きました。

後でわかったのですが、希望退職に応じる社員の大部分が、会社としては残ってほしい人材だったようです。

辞めてもらいたい社員・残ってほしい社員で逆転現象が起こり、会社側も困惑していたのだろうと思います。

会社が退職を認可する決定通知

リストラ認可か不認可か

時期:2月下旬

予定されていた希望退職の申し込み期限を過ぎると、会社側は社員から出された希望退職の申請書を審査し認可、又は却下を決めます。

ウチの会社ではほぼ希望する社員の申請どおりに希望退職が認可された模様です。

応募人数は会社の想定を少し超えた規模になったものの、結局は構造改革や固定費の削減が優先されたのかと思われます。

まあ、人材が流出しても新たな人材が調達できる目算もあるでしょう。

希望退職者の公表・ざわつく社内

時期:2月下旬

会社は希望退職を認めた社員を掲示板で公表します。

掲示板に掲示されれば、当然ですが自部門をはじめ全国の離れたオフィスでも退職するのが誰なのかを認識します。

退職者と残される社員の間では、自部門では「えぇぇ、辞めるの?…」「ショックです…」「当然会社に残るものだと思っていた」など動揺の声が聞かれました。

また電話やメール、チャットなどでも「本当に辞めるの?」「今の業務はどうなるの?…無理でしょ?」など反響が広がります。

ただ、僕の場合は以外に多かった反響は「やっぱりねぇ…もしかすると辞めるんじゃないかと少し思っていた」「もう仕事がイヤだったんでしょ?」といったもの。

やはり多忙すぎる姿は皆に見られていた…ってことですねぇ。。(汗)

業務の引継ぎ作業

リストラ短期間引継ぎ

時期:3月上旬~3月下旬

会社が退職者を公表すると、いよいよ引継ぎが始まります。

業務量が少なく引き継ぎも少量で有給消化に入る者や、引き継ぎきれない業務量で苦心する者も見かけます。


僕のグループでは上司が、仕事を引き継ぐ社員と僕とを会議室に集め、「掲示板で周知されているとおり彼が退職することになった。ついては彼の業務を引き継ぐよう進めてください」と号令を出し引継ぎがスタートしました。

ノビー

僕の引継ぎ準備はかなり早い段階から準備はしておいたので、言語化できる部分はおおよそ書ききって、それ以外は口頭や手を動かした練習をしてもらい、ギリギリでしたが引き継ぐことができました。

ただ、ひととおりの引き継ぎをおこなったとしても、結局は短い期間の引継ぎです。

思ったより後任者の習熟度は上がっていなかったため、後日(退職後)TELで頻繁にサポートをすることになるとは、この時は思ってもいませんでした。

ところで、この希望退職制度には、幸いなことに有給休暇の買い取り制度が備わっていました。

僕は、引継ぎ作業が最終出勤日近くまで続いたため、全く有給休暇を消化できず、最終出勤日を迎えたのでした。

なので、有給休暇の買い取り制度によってムダに有給を捨てることなく、お金に替わったことは、非常にありがたい制度だったのです。

最終出勤日

時期:3月31日

そしてついに最終出勤日を迎えます。

定年退職だったらお祝いムードで送り出されるものだと思いますが、僕の場合はネガティブ感の漂う希望退職です。

関係者に個別に挨拶に出向き、後は宜しくお願いします…と伝え、後ろめたさを感じつつ静かに職場を去るものだと思っていました。

しかし、予想に反して退社時刻前に自部門において小さいセレモニー的なものを開いていただきました。

今後の活躍を期待する言葉、花束・記念品までいただき、さらに写真撮影まで…まるで定年退職をしたかのような気分にさせていただきました。

ノビー

本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました!

ちなみに、このご時世ですから当然ながら送別会的なものはナシ。

無理に送別会を開催されたとしても危険が伴いますし、そもそも恐縮してしまう性格なので、自分の場合は気楽にいられました。

希望退職(リストラ)の作業は淡々と進む

リストラ対象者達

本記事で、希望退職(リストラ)の一連の作業が、おおよそ2~3ヶ月の期間で進んでゆくことを解説してきました。

僕の会社の場合は、対象となった社員・残される若手社員など、多くはハレモノに触るような感じでリストラについて情報交換する事も少なかった状況です。

さすがに希望退職者の発表後は気まずい空気が漂うなかで、退職を決めたことへの驚きの超え・残念がる声、興味本位で「今後どうするの?」と聞いてくる人など、少しづつ早期退職を受け入れる雰囲気になってきます。

世の中の多くの企業が希望退職募集(リストラ)を行う内のほんの1例にすぎませんが、本記事でどのような流れなのか掴んでいただき、参考にしていただければと思います。

流れを知っておくことで、あなたが希望退職(リストラ)に遭遇したときに「どういうこと起こるんだろう?」という不安が最小限になり、冷静に考えて最終判断をする助けになればと思います。

以上

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